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堂野夢酔(どうの・むすい)・ごあいさつ

「 還暦 」



共に歩いた妻が11/21に還暦を迎えます
若い頃は還暦のことなど遠い遠い先の先で想像も出来ず、将来いつか来るある日くらいに思っていました
しかし自分が既に還暦を遥かに過ぎ、今度は妻も還暦を迎えるのです

昔に比べれば還暦など年寄りの内に入らないほど平均寿命が延びました
それはそうですが経た年月に変わりはありません
生まれた暦へ一巡した60年の人生経験は昔も今も同じはずです

そして着実に老いを重ね父母や先達に言われた事を実感し始めています
若い日は「光陰矢のごとし」は諺のようにしか思えませんでしたが、いまはそれが厳粛な事実であることを覚えます
60年を生きたことで他人の言葉や心の動きが理解できるようになった気がするのです




髭の祖父に抱かれた一歳頃の妻 10歳頃 中学校ソフトボールクラブ




それを思えばこれから先の人生においても、まだまだ知ることも多々あるのでしょう
しかしそれは若い時代の覚えることでなく
老いる寂しさや分かれる切なさを伴う深い心の底で知ることが増えるということに他なりません

だからこそ…夢に向かって自分達なりに共に生きた夫婦の絆は大切にしたいと思います
長寿時代と共に増える老人はどのように老後を生きておられるのでしょう
沢山の番組で様々な問題や生き方が紹介されていますが夫婦で生きられるほど幸せはないと思います

夢酔庵に夫婦で来られるお客様に接していますと温かさが伝わります
若いカップルから老夫婦まで男と女が演じる互いのコミュニケーションは夫婦漫才の一つに感じます
我輩など孤高に生きるなど全く出来ません…老いた夫婦は素晴らしい手本です




中学校卒業旅行 自前の服(高校生) 素直で底抜けの明るさが一番




何歳になっても子供の事を心配してしまう自分を見て…父母にも心配させたであろうことが蘇ります
子を心配したとて何も出来なくなりつつあるのに…
親とは因果な役割よ…と知るほどに子供に迷惑を掛けない老後を願ってしまいます

若くってピチピチしていた妻もお婆ちゃんと呼ばれる齢となり
老眼鏡をずらせながらお互いに忘れる事ばかりが日常になった昨今ですが
水墨画家に転身した我輩を支え一生懸命に走った10数年は何にも代えることの出来ない日々です

田舎暮らしで小さな幸せが性に合う妻が、病や仕事でもがく我輩に総てを懸けてくれた優しさ
お陰さまで知らない街を訪ね数え切れない程の人々と出会い、笑いや涙や感動…
長い旅や個展催事の疲れも手伝い、スッカリ歳相応の還暦の姿になった妻ですが心は昔のままです




結婚しました 妻の応援を得て個展行脚を始めた頃です




先のことなど描くことの出来ない人生模様ですが、信じあう夫婦の心が一歩を進めてくれます
それが総ての基本であり、縁が縁を繋ぎ人生が形成される気がします
老いと共に同じパターンは出来ませんが、心と健康があれば少しだけ前に行けるのではないでしょうか

何かに取り付かれた様に描く世界に没頭する我輩を後押しし
そこに漕ぎ出していなければ決して知る事も会う事もなかったであろう一期一会が私達の人生模様になりました
そして古い友人とも何度と無く会う機会が増えました

還暦を迎えた今年9月、妻は大事故に遭遇しましたが奇跡的に大怪我もせずに助かりました
神仏はまだ私達の絆を必要として微笑んで頂いた気がします
生かされているとしか言いようのない人生です




親から子 子から孫へと 一筋の道 ささやかな還暦祝い




妻には感謝しても感謝仕切れませんが何のお返しも出来そうにありません
せめて出来る限り健康で共に…を念じ行うのみです
ありがとう…「ちさと」さん



合掌


                     ほのぼの夢酔


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